「尊厳の輪」をつくり、自分を守ろう

自分の中にある「信念」を外に向けて発信しなければ、あなたは次第に、操り人形になっていく。ほかの人々の目的に合せて都合よく動かされるようになり、遅かれ早かれ自分は消えてしまう。
そしてあなたは、闘うことも肉体的な苦難を乗り切ることもできなくなり、意思の力も萎えていく。外面的に崩れ落ちてしまった人は、そのうち内面まで崩壊してしまう。(p230)

「尊厳の輪」とは?

どんな事情があろうと妥協できない、個人的な優先事項や主義の明確な領域のこと。

「尊厳の輪」の絶対条件

  • どんなにお金を積まれても、他人に譲れないこと
  • 合理的な説明がつけられないこと(なんとなく好き、なんとなく嫌でOK)

なぜ「尊厳の輪」をつくるのか?

社会は、広告や社会的圧力、「あなたのために」から始まる押しつけがましいアドバイス、時代の風潮など、毎日、何十本もの矢で私たちの自尊心(意思、主義、価値観)を攻撃しています。これらの矢は、どれも致命傷を与えるほど毒性が強いわけではないのですが、鋭く有毒な矢で、一本一本が私たちの感情の免疫システムを少しずつ蝕んでいく力を持っています。

なぜ、社会は私たちに向けて矢を放つのでしょうか?
それは、社会と個人とでは「利害」が異るからです。

社会において重要なのは団結であり、個人が際立つ必要はなく、誰かが勝手に周囲とは違う主義でも表明しようものなら、すぐに社会に対する危険分子だ、と認識します。社会が干渉しないのは、周りに合わせて従順に振る舞う人間だけです。社会の放つ矢から、私たち自身の考えを守るため、自分自身の尊厳の輪をつくり、日々それを「断固として守る」姿勢を貫く必要があります。

「尊厳の輪」の境界ははっきりさせておこう。経済の論理によるウイルスを、あなたの価値基準の免疫システムに入り込ませてはならない。「尊厳の輪」の中にあるものに、交渉の余地はない。どんなときでも、どれだけお金を積まれても、その基本を変えてはいけない。

「尊厳の輪」のつくり方

「尊厳の輪」は、年齢を重ねるにつれて、しだいにはっきりとした形となります。輪の形成には、ある程度の人生経験を積まなければならなず、間違った決断や失望、失敗や危機を乗り越え、どの主義主張を輪の中に取り入れ、どれを諦めるか、熟考を重ねなければなりません。

そして「尊厳の輪」は出来るだけ小さいままにしておきましょう。小さくする理由は2つあります。

  • 輪の中での、矛盾の発生を避ることができます。「尊厳の輪」の項目が10項もあったら、それら全てを同時に満たすことはとても出来ません。
  • 自分の信念に対して、きちんと責任を持ち、それを守りやすくなるからです。

また、覚悟せねばならないことは、自分の信念を貫くために、他人や、ときには大切な人、恩人を落胆させるかもしれないということです。あなたは人を傷つけたり、人を蔑ろにしたりすることになり、逆にあなたはその人たちから失望させられ、傷つけられ、侮辱されるでしょう。それら全ての感情に耐える心の準備をしておかなくてはなりません。

摩擦を起こさずに生きていけるのは操り人形だけである。「能力の輪」を築き上げるには1万時間必要だとしたら、「尊厳の輪」を築き上げるまでには1万回傷つかなければならないだろう。

私の「尊厳の輪」

  • 私の行動をイライラや八つ当たりでコントロールしようとする人と、距離を置く。
  • 私に対して悪意ある発言、蔑んだ発言、バカにする発言に対して、笑顔は絶対作らない。無視してもいい。

think clearly 最新の学術研究から導いた、よりよい人生を送るための思考法」の『「尊厳の輪」をつくる』を元に作成しています。

dropope

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